前史 戦争が終わるまで

1900年~1909年(明治33年~明治42年)


日露戦争。日本が国際的列強の仲間入りをすると同時に、軍事的に拡張していった十年。

 日露戦争の錦絵。

1910年~1919年(明治43年~大正8年)


韓国併合。第一次世界大戦とロシア革命が起きた十年。
大正デモクラシー(民主主義を尊重し国家の権限をなるべく小さくしようとする思想)が盛んになる。

 当時の街角の様子

1920年~1929年(大正9年~昭和4年)


普通選挙が実現するとともに共産主義国家(ソ連)の成立に呼応する形で治安維持法が成立、大正デモクラシーは終息。
弾圧されればされるほど、社会主義者たちの活動は熾烈になっていった。
1929年には世界恐慌が起き、日本も大きな影響を受ける。

 1929年小林多喜二「蟹工船」初版

1930年~1939年(昭和5年~昭和14年)


満州事変が起き中国の一部が日本の植民地に。五・一五事件、ニ・ニ六事件と軍部によるクーデター未遂が頻発。
大戦争に向かう十年。

 ニ・ニ六事件翌日の新聞

1940年~1945年(昭和15年~昭和20年)


太平洋戦争が開戦。
日本が第二次世界大戦に呼応して戦争を起こし、敗北する五年。

 戦時中の芋の配給風景

ざっくり戦後史(五年刻み)

1946~1950年(昭和21年~昭和25年)


終戦直後。アメリカに占領され焼け跡で再建をはかった五年。
日本国憲法が成立。

 終戦直後の東京

1951~1955年(昭和26年~昭和30年)


アメリカの占領が終わる。朝鮮戦争の特需をきっかけに奇跡的な経済高度成長が始まった五年。
高度成長は約20年続いた。
また、自由民主党が結成され「五十五年体制」が成立、こちらは40年近く続いた。

 1952年の東京

1956年~1960年(昭和31年~昭和35年)


経済は活況を示し国内外の環境も整備されてゆくが、米ソ冷戦によって世界が不安定になっていた五年。
戦後最大の政治市民運動「安保闘争」が起きた。

 安保反対で国会議事堂を取り囲むデモ隊

1961年~1965年(昭和36年~昭和40年)


東京オリンピックが開催され高度成長はピークに。日本が完全に先進国の仲間入りをした五年。
しかしその代償として、日本各地で深刻な公害被害が出はじめた。

 オリンピックに合わせて造られたモノレール

1966年~1970年(昭和41年~昭和45年)


泥沼化するベトナム戦争を尻目に、国内では比較的安定していた五年。
しかし戦後体制に馴染めない人たち、とくに若者の不満が爆発した。
その最大の表れが、「全共闘闘争」といわれる大学を舞台にした学生運動。

 当時の男性ファッション。タートルネックが流行。

1971年~1975年(昭和46年~昭和50年)


オイルショックによって高度成長が終焉した五年。
新左翼といわれる全共闘の流れをくむ左派は、連合赤軍事件、よど号事件など次々に事件を起こし、社会から孤立していった。

 1974年映画「神田川」ポスター。

1976年~1980年(昭和51年~昭和55年)


日本が高度成長を終え、安定とも停滞ともいえる時期に入った五年。
いくつかの汚職騒動とオイルショックをのぞき大きな出来事はなく、「日本はずっとこうだった」という感覚に人々はとらわれはじめた。

 日本最初の大ヒットビデオゲーム「スペースインベーダー」

1981年~1985年(昭和56年~昭和60年)


いわゆる「バブル経済」が始まった五年。
土地の値上がりとともに社会にはマネーが溢れ、華やかで明るいものが好まれるようになった。
日本が過度に贅沢になっていった五年。現代につながるサブカルチャーも多くこの時代に始まった。

 西武セゾンポスター コピーは糸井重里

1986年~1990年(昭和61年~平成2年)


繁栄を謳歌した爛熟の五年。
しかし八十年代の終わりに昭和天皇、手塚治虫、美空ひばりなど戦後の重要人物がつぎつぎに逝去。
時代は大きな変わり目を迎える。

 ワンレンボディコンと呼ばれるファッションが流行

1991年~1995年(平成3年~平成7年)


十年近く続いたバブル経済がついに弾け、日本中がパニックになった五年。
のちに「失われた20年」といわれた景気低迷の時代が始まる。
海外ではソ連も崩壊し、時代は完全に変わりつつあった。
1995年、阪神淡路大震災とオウム真理教による地下鉄サリン事件が相次いで起き、日本は終戦以来のどん底の時期を迎えた。

 地下鉄サリン事件

1996年~2000年(平成8年~平成12年)


金融機関の破綻が相次ぎ、バブルの後始末に日本中があえいでいた五年。
98年の消費税導入によって景気は一段と悪化し、日本の経済的な没落が本格的に始まる。
一方、この頃から世界にインターネットが普及しはじめた。
1999年ごろにはインターネット・バブルが起こり多くの人がまた騙される。
世相のままならなさと世紀末の不安から、社会のムードは非常に悪かった。

 GREY バンドブームが起き邦楽は一大産業に

2001年~2005年(平成13年~平成17年)


小泉内閣の登場によって景気がゆるやかに回復しはじめ、ようやく日本はどん底を抜けたかと思われた五年。
携帯電話が登場し、日本でもインターネットが本格的に普及。独自の文化を築き始める。
2001年9月11日、アメリカで同時多発テロ事件が起きる。世界史に大きな影響を残す出来事だった。

 9.11同時多発テロの瞬間

2006年~2010年(平成18年~平成22年)


リーマン・ショックと呼ばれる世界経済恐慌によって一気に坂道を転がり落ちた五年。
小泉内閣が主導した構造改革による景気回復が一瞬で水の泡になった。
暴落する株価を止められなかったことが、自民党の政権転落、民主党の政権奪取につながってゆく。
が、民主党の国家運営は控えめにいって問題が多く、とくに外交でいくつもの大きな問題を抱えた。

 リーマンショックのなか、新聞にも悲観的な見出しがおどった

2011年~2015年(平成23年~平成27年)


アベノミクスの名のもと行われた大規模な財政出動によって、失われた20年がようやく終わった、といちおう言われている五年。
ただその評価はもっと後にならないと確定しない。
前々から予測されていた本格的高齢化社会、少子化社会がとうとう現実になりはじめる。





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