講師紹介

■名前: 野間口修二(のまぐち しゅうじ)

■職業: ゲーム系シナリオライター

■おもな作品:


・サムライメックⅠ、Ⅱ




・ジャンピングフラッシュ!シリーズ





・アストロノーカ



・ボクと魔王



・くまうた



ウェブ表現研究C/Dのコンセプト

前提1 …… 「表現はいつも時代という箱の中で生まれる」


表現は、その「時代」と無縁には存在できない。

夏目漱石が死んだ直後の状態で、2019年の日本に蘇ったら、「明暗」の続きが書けるだろうか?


前提2 …… 「現在という時代は過去の蓄積の結果ここにある」


私たちが読む作品、作るであろう作品、どの作品のどの細部も、過去と現在から影響を受けていない箇所はない。
ありとあらゆるものには、それが生まれて現在の形になるまでの「経緯」があり、経緯があるからその形になっている。
そしてその経緯には、必ずそのときどきの時代性というものが大きな影響を与えている。
つまり簡単にいうと、何ごとにつけ歴史は超重要。


前提3 …… 「私たちが時代性と幸福なマッチングを持ちつつ仕事ができるのは三十代まで」


私たちは、時代性にたいするセンサーを幼少期の記憶から得ていて、なにかというとそこに帰ってゆく。
そして、その幼少期の記憶と現在の時代性が大きくずれることがない、つまり「時流に乗る」ことができるのはだいたい四十歳ぐらいまで。

にもかかわらず、若い頃というのは、自分たちが生まれる直前あたりの歴史にあまり興味を持たないことが多い。そのことで知らず知らず損をしていることも多い。


ウェブ表現研究のテーマ1 …… 「2020年代の日本でいい表現をするために何をどう考えたらいい?」


2020年代の日本の表現環境を、「物語消費」という言葉を軸に考えてゆく。
そして、実際に物語を作るための考え方を、ストーリー、キャラクター、イメージの三方面から見てゆく。
実際に物語を作る実習も行う。
 →これがウェブ表現研究C。


ウェブ表現研究のテーマ2 …… 「20世紀末からの日本の時代変化を知っておこう」


自分たちの幼少期から、生まれる直前ぐらいの時代について、その雰囲気を感覚として知っておくことは、とくに若いうちは絶対に有用。
そういう考え方のもと、80年代以降を中心に、各時代の雰囲気を教科書的な事実の羅列だけでなく、その時代時代に生み出された作品から見てゆく。
そののち、インターネットによって変容した現在の時代性を分析してみる。
 →これがウェブ表現研究D


最終目標 …… 「<あたしなんか><俺なんか>と思ってる人でも表現ができるヒントを提供する」


オリジナリティやテクニックといったものの呪縛から逃れて、とりあえず作ってみること。
それができる時代に生きていると認識することで、クリエイティブな仕事はずっと楽になり楽しくなる。
いろいろな作品を楽しむことがクリエイティビティの源になる。そのためには、過去を感覚として知っていること。


ウェブ表現研究Cでやること

■現在の表現を考えるときに軸となる、「物語消費」について解説をしてから、ストーリー、キャラクター、イメージ、そして文体といった各方面から、物語を作るための方法論を説明してゆく。
数回のテキストライティング実習をはさんでゆく予定。

■予定しているトピック(順不同、内容も変わる可能性があります)


物語消費とはどういうことか現在の表現状況を「なろう小説」などを題材に分析してゆく。(2回)
冒険物語の構造物語はどんなふうにできているのか、どんなふうに作られるのか、を分析してゆく。(1~2回)
三題噺実習学んだ物語の構築法に従って、実際に物語のあらすじを作ってみる。(1回)
キャラクターとフラットネスキャラクターがどんなふうにできているか、どう作られるのか、を分析してゆく。(1~2回)
キャラクター設定実習学んだキャラクターの考え方をもとに、キャラクターの設定を作ってみる。(1回)
イメージ論コンテンツにおける隠れた主役、「イメージ」について分析してゆく。(1~2回)
言葉遊びと文体我々のコンテンツの基礎にある「言葉」について考えてみる。(1~2回)
架空映画の資料を作ろう期末課題となるレポート作りのための解説。(1回)
コンテンツを作ってゆくために何を心がけるか自分なりの発想を持つため何をしたらいいか、という話。(1回)
総まとめここまでの内容を再度まとめつつ、期末課題の相談のための時間をもうける。(1回)


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